58 三韓統一のシナリオ

2024年03月31日 14:29

新羅による韓半島の統一

 古代の韓半島にあった高句麗、百済、新羅の三韓統一は綿密なシナリオがあって実現したものだ。新羅の善徳女王、その甥金春秋(新羅29代武烈王)、金官伽耶建国者金首露の直系子孫である金庾信、その甥で、新羅30代文武大王、文武大王の父天武天皇=ヨン・ゲソムン、善徳女王の末妹善花公主、その夫百済第30代武王=舒明天皇。錚々たる登場人物のドラマである。
 新羅大王文武は、日本に亡命する前、忠元という仮の名で来日している。その時天武に献上するために持参した草薙の剣に祭祀を行なった。草薙の剣は金官伽耶国建国者金首露の宝剣である。実父である天武天皇との初対面や亡命時の打ち合わせ等が目的の来日であったろうが、ここで文武にとってラッキーな出来事が起きる。いやラッキーな偶然などではなく、これも計画のうちだったかもしれない。筑紫まで忠元こと文武大王を出迎えに行った、天武の妻持統がたちまち文武と恋に落ちたのだ。天武の34歳年下の妻持統。文武より19歳も若い。天武の母は持統の姉なので天武にとって叔母に当たる若すぎる妻が、眉目秀麗で弓矢の名手、当代きっての英雄文武と出会って、何もないことこそがおかしいだろう。
 そして10ヶ月後、持統が舎人王子を出産する。「隣の王子様」という意味の名前が付けられた。

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