反貧困学習

2021年01月27日 17:56

大阪府立西成高校

 教育現場の大きな問題は時代により変化します。1968年に初めて使われた言葉である登校拒否(のちに不登校)と言われた現象は、今も各クラスに一人は発生していると言われるほどポピュラーな問題です。 1970年代後半から全国の中学校で多発した校内暴力は深刻な社会問題でした。そしていじめ。当初いじめは学校内における生徒間の問題として認知されましたが、学校内にとどまらず実社会の至る所で起こる世界共通の根深い問題です。平成25年には、いじめ防止対策基本法が制定されました。

 令和の今、新たに浮かび上がってきたのは子供の貧困問題です。子供の七人に一人は貧困という今の日本の現実は、学校現場にも如実に現れています。2021年1月25日(月)、NHK総合で放映された「逆転人生」という番組で、大阪府立西成高等学校の反貧困学習の成功事例が紹介されました。子供の貧困問題はシングルマザーの問題でもあります。離婚が増え、子供の親権は母親が持つけれども、父親が養育費を負担しなかったり、母親の仕事が非正規雇用で、アルバイトを3つも掛け持ちして夜中まで働いても年収は300万以下の場合が多かったりして、当然ながら貧困に陥るわけです。その中で虐待されたり、ネグレクトされたりして、しかし何とか高校へ入学するのですが、小学校時代から落ちこぼされて高校の授業内容など理解できるわけがありません。正常な授業など成立しない、いわゆる教育困難校が多数生まれます。西成高校もその一つでした。
 
 そこで先生たちがプロジェクトを立ち上げ、反貧困学習という素晴らしい取り組みを始めるわけです。卒業生の実体験を元に、貧困に立ち向かうための真に役立つ知識を学習していきます。自分たちの武器となる法律や権利や制度について学び、親がどうであれ、社会がどうであれ、自分の未来を自分の力で切り開く力を身につける学習を展開していくのです。そしてついに達成した就職率100%の快挙。もちろんその裏には親身になって支えてくれる先生方の姿があります。生徒も先生も、実践を通して学び、変わっていくことができるということを西成高校の反貧困学習は教えてくれます。そして貧困は乗り越えられる問題だということも。

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